『サスペンションについて』

先ず、サスペンションの歴史を紐解けば何と無く理解して行く事が出来ます。最初はリジットでした、それをスプリングでフンワリさせました、次に場面に合う節度を出す為ダンパ−が付きました・・・この歴史通り調整して行くのが王道なんだと思います。サスペンションは第一に『バネ』なんですね。このバネの設定を無視しがちです。車体に見合った『バネ』を装着しないでダンパ−調整やオイル粘度変更をするから迷い始めてしまう訳なんですよね。やはり、『バランス』が大切なのです。サスペンションは前後の荷重の受け渡しをする、いわばシ−ソ−です。シ−ソ−は片方が重ければ沈んだままで戻って来ません、オ−トバイもそれと同様です。ダンパ−を閉める方向へ調整し『硬くなった』『シッカリした』は間違いです。シ−ソ−になりませんよね。サスペンションは十分にストロ−クを確保しつつ、節度ある状態を作ってあげないと『怖さ』が顔を出し始めてしまい、楽しく無いんですよね。

転ぶ理由って限られます。ライダ−に原因(オ−バ−スピ−ドや寝かせ過ぎ)がある以外は、大体マシンのセッティングの誤りをライダ−が無理して補っている事実が大半です。

例えば・・・

前輪がコ−ナ−出口を向いていないのに、ライダ−は早く曲がりたい為アクセルを開けていってしまい、舵角の付いている前輪はまだ曲がりたいのに、ライダ−の勝手な心理の判断で後輪がアクセルを開けられてしまった結果で押されてしまい、行き場の無くなった後輪はコ−ナ−アウト側へ逃げ出しスライドし・・・転倒。これが転倒のメカニズムの一つです。

ですから、なるべく進入では無理をせず確実にスピ−ドを殺し、一気にブレ−キレバ−をリリ−スするのではなく、フロントフォ−クをブレ−キの効果を利用し縮め立ち上がりラインに乗せるようにコ−ナ−へ飛び込む事が一番安全です。

フロントフォ−クとフロントブレ−キは密接な関係にある事が何と無く理解して頂けたら幸いです。ゼファ−はスタンダ−ド状態で400・750・1100共にとても素晴らしいオ−トバイ然とした乗り味を持っています、それを高額なパ−ツで武装したから上に行けるとは限らないんですよね。シッカリ機能させなければパ−ツ代の元が取れません。セッティングをしっかり施しバランスをとってあげる事が重要です。マフラ−を交換しただけでもスタンダ−ドのバランスは失われます。これは忘れてはならない事実です。