スパークプラグ(略称プラグ)について

エンジンオイルやブレーキパット、ガスケット等バイクには消耗品が沢山ありますが・・・・
プラグも勿論消耗品! しかもこの消耗品ってのは、交換する場合新品にするとその効果が
体感出来る物ばかり。
メーカー指定の新品に交換しただけでも体感できるなら・・・・ もっと良い物をって考える
のがオーナーの悩みどころ (^_^;)
オイルやブレーキパットは固さや材質の違い等でなんとなく理解できる人が多いと思いますが、
プラグってどうなの?
「イリジウム?」「プラチナ?」「レジスター?」etc

意外とプラグって軽視されがちですが、交換すると良い事ばかりなので分かる範囲でご紹介!

『プラグの働き』
ガソリンエンジンは混合気を爆発させて、その力が動力になっていますが、その爆発させる為に
直接引火する役目をプラグが担っている事は、皆さん御承知の通りです。
この直接ってのが凄いんですよ!
燃焼室に電極部分が直接触れていて、言って見ればライターの役目です。
昔の石油ストーブやキャンプで使うランタンなんかに引火する時、ボッ!っと言うだけで人間で
ビックリするけど、プラグ様はエンジンの回転に合わせて
2〜3万ボルトの電圧を出し続けてる
訳です、温度は瞬間的ですが
2000℃位に達します!
いかに過酷なパーツかってのが分かると思います。

『熱価』
そんな過酷な仕事を担っているプラグ様ですが、混合気は爆発や高圧縮によって高温になった
燃焼室内で、プラグがスパークしなくても爆発してしまう現象がおこります。
それが
『ノッキング』です! 以前に「ガソリンについて」でも触れてますが、非常にエンジンに
とって怖い現象なんです。
そこでノッキングを起こさない様に、適度な温度を保つ必要が出てきます!
その温度を下げる
『放熱具合』を数字で示したのが『熱価』です。
プラグを見ると、例えば
「DR9ES」と書いてある数字の部分が『熱価』を表しています。
数字が大きい程に放熱効果が高いです! 常に高回転でチューニングエンジンを使用する
レーサー等は熱価の高く形状も特殊なレーシングプラグを使用しますし、市販車でサーキット走行を楽しむ人
なんかは、市販プラグでも熱価の番手を一つ上げて走る人も居ます!
だからと言って数字が大きければ良いと言うものではありません、プラグの温度は
500〜800℃位
が適切な温度とされています。
高温状態が続くと、プラグの電極が溶けて上手くスパークしなくなってしまいます。
最悪はノッキングを起こしピストンに穴が開く等のエンジンブローとなってしまいます!
逆に低温状態が続くと、プラグにカーボンが付着して、こちらも上手くスパークしなくなります!
・熱価を下げ方向 → 放熱効果が弱まりプラグの温度が高くなる
・熱価を上げ方向 → 放熱効果が強まりプラグの温度が
低くなる
「電極の溶けたプラグ」


『適切な焼け具合』
バイクの調子を見るときに、一般的に行われるプラグの焼けチェック!
これには
適切な混合気作り(キャブレターセッティング)と適切な排気システムを作ってあげる事が
とても大切。

混合気が濃ければプラグはくすぶりエンジンの吹け上がりも悪くなりますし、薄ければエンジンの
吹け上がりは良くなりますが「力」が無く、プラグは白くなり電極へのダメージも大きいいです。
マフラーも直管に近い爆音仕様だと抜ける一方なのでプラグは白くなりますので、キャブレターの
リセッティングが必要になります!
逆に粗悪な安いマフラーだと排気効率も抜けも悪いので、プラグはくすぶる場合もあります、
こちらもキャブレターセッティングをしないと、かぶり気味になり調子悪くなります!
ベストな状態は、良く言われる
「キツネ色」ってやつですね〜。
カーボンや煤の付着も無く、電極の角もしっかりとした状態!
・くすぶった状態 → 不完全燃焼によるカーボンが付着し黒ずみ火花が弱くなる。
           最悪は湿ってスパークしなくなる!(かぶり状態)
・白い状態 → 高温になり付着したカーボンが異常燃焼を起こして白化している。
        最悪は電極が溶けてスパークしなくなります! エンジンブローし易くなる。

適切な状態 くすぶった状態 白い状態

『走り方に合わせた熱価選び』
適切な混合気と排気システムが整った状態が大前提ですが、メーカーは街乗りや渋滞、高速走行も顧慮
した計算で設定した熱価の推奨値です、言って見れば「良くもなく悪くも無く」と言った設定値なんです。
そこで、走り方によって少し設定を見直してみると燃費も良くなったりエンジンの調子も良くなります!
・たまにしか乗らない人や街乗りがメインの人でプラグがくすぶり気味の人
   見直し → 番手を一番下げて様子を見る
(温度を上げ燃焼効率を上げる必要がある)
・高速走行が多く、エンジンをガンガン回す人でプラグが白っぽい人
   
見直し → 番手を一番上げて様子を見る(温度を下げ異常燃焼を抑える必要がある)

『スパークプラグの交換時期』
スタンダードな標準プラグ(レジスタープラグ)のプラグの交換目安は二輪車の場合3000`〜5000`
最近燃費が悪くなってきたとか、前よりパワーが無くなったと感じてきたら交換してみましょう!
ビックリする位調子よくなりますよ !(^^)!
プラチナプラグやイリジウムプラグの場合は、メーカーでは交換サイクルは指定されていませんが・・・
やはりエンジンの調子や燃費の変化を感じ取って交換した方が良いと思います!

『代表的なプラグの種類』
・標準プラグ(レジスタープラグ)
プラグ内に抵抗(レジスター)が内蔵されていて、スパーク時に出るノイズを抑え他の電装部品への影響を
無くしています、電極は一般的なニッケルで軟らかい材質の為、耐久性を稼ぐ為に電極は太く出来ています。
その為、肝心なスパークに必要な電力の集中力がイマイチで火花もそれなりで安定性もそれなり・・・。
しかし、安価なので交換サイクルは短いですが・・・ ま〜いっかって感じ (^_^;)

・プラチナ(白金)プラグ
電極部にプラチナを使用しているので、電極を標準プラグより細くできその分強力な火花を飛ばす事が可能です!
標準プラグより耐久性がかなりありスポーツ走行にも向いている、値段は標準プラグの2〜3倍する。

・イリジウムプラグ
電極部にイリジウム合金を使用していて固いので電極をプラチナよりも細くでき、外側電極をテーパー形状にする
事により火花が飛びやすく発火しやすい形状になっている。
電極が極端に細いので、電力を一点集中させることにより同じ電力でも大きな火花を飛ばす事が可能で安定性も
抜群。燃費の向上、アイドリングの安定、パワーアップ等様々な利点が期待できる!
カーボンの付着を軽減する形状で耐久性も抜群。 しかし値段は標準プラグの4〜5倍もするのが難点 (ーー゛)


『プラグ交換時の締め付けトルク』
ゼファーシリーズのプラグはネジ山部は400と750が12_、χと1100が10_。
・10_ → 
1.0` 〜 1.2` (χ&1100)
・12_ → 
1.5` 〜 2.0` (400&750)
トルクレンチでの締め付けがベストです!
『プラグレンチで締める場合』
新品取り付け時とプラグチェック等の再使用時では締め付け方が違いますので注意です!
・新品取り付け時(10_12_共通)
手締めにてガスケットが台座に当たるまで締め、その後適正サイズのプラグレンチで180度(1/2回転)
締め付けます!
・プラグチェック等の再利用時(10_12_共通)
手締めにてガスケットが台座に当たるまで締め、その後適正サイズのプラグレンチで45度(1/8回転)
締め付けます!
(注意)トルクレンチを使う場合もプラグレンチを使う場合も、潤滑剤や焼付防止剤は塗布しないでください
    締めすぎの原因になります。尚、作業は全て自己責任でお願いします、心配な方はプロに任せましょう。

簡単で誰にでも出来るプラグチェック! 愛車の状態を把握する為にも豆に行うとベストな状態が保てると
思います、標準プラグの場合交換すると激変する場合がありますので・・・ いつ交換したっけ? 
なんて人は、一度チェックしてみましょう !(^^)!